教育法規(教職教養)【教員採用試験の傾向と対策】

2013/04/02 事務局 講義
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教職教養においてもっとも出題数の多い分野が教育原理です。なかでも文部科学省の通知文、中央教育審議会答申、調査研究協力者会議報告などにみられる教育時事と、学習指導要領からの問題が頻出となっており、まずはこの2つを重点的に押さえることが必須といえます。
その上で教育原理の各領域について準備を行い、試験に臨みましょう。
東京都の公立教員採用試験では特に「学習指導要領」からの出題傾向がみられますが、私立独自に問題を設定している場合は千差万別。公立校での傾向をある程度踏まえながら、自分なりに各学校の特徴や教育理念などを分析してそれぞれの学校の出題傾向をみきわめましょう。
※東京都では私学適性検査が実施されており、学校によっては私学適性検査の受験を義務としている所もありますので確認が必要です。この適性検査の出題は柔軟性に富み傾向が掴みづらいことが挙げられますが、過去問に目を通しておくことは有効です。
以下に主な頻出領域の傾向・対策を述べます。
教育課程、学習指導要領
教育課程については、大原則となる意義・定義を問う問題、カリキュラム6類型の識別問題が頻出です。
学習指導要領については、平成20・21年版学習指導要領を読み込んで特徴を理解するのはもちろん、改訂の変遷についても押さえておきましょう。そのためには中教審答申にも目を通し、各年版ごとの特徴を整理しておくことが必要です。
学習指導要領の内容では、「総則」「道徳教育」「特別活動」を重点的に頭に入れましょう。「道徳教育」「特別活動」、また「総合学習」については、解説書からの出題も近年よく見られます。
学習理念、学習指導
最頻出分野は問題解決学習、発見学習、プログラム学習。完全習得学習、有意味受容学習、系統学習、経験学習がこれに続きます。それぞれ主な理論や教育プラン、人物キーワードを最低限押さえましょう。プログラム学習については、5原則などの内容も頭に入れておきましょう。
生徒指導
平成22年4月版「生徒指導提要」(文科省)からの問題が頻出となっています。まずは生徒指導の意義、3つの機能をしっかり押さえましょう。また近年の懸案であるいじめ、不登校、暴力行為などの問題行動について定義や取り組みのポイントを押さえておくこと。教育時事としても重要度が高いので、答申や報告だけでなく最新の調査結果から数値的な知識を問われることもあります。
同じくキャリア指導や進路指導についてもリアルタイムの知識を必要とされるため、最近の主な答申や報告に目を通しておきましょう。また近年ではスクールソーシャルワーカーに関する出題も目立ちます。
特別支援教育
特別支援教育の定義に関連する法律、特例、特別支援教育推進のための答申・通知文の内容はしっかり押さえておきましょう。大枠はもちろん、近年要注意となっている発達障害の定義、個別の教育支援計画・指導計画の内容についても頻出度が高まっているのでよく整理し理解しておくこと。
人権教育
国の施策などから同和問題の基本を理解し、同和教育から人権教育への流れを押さえておきましょう。学校における人権教育については「人権教育の指導方法等の在り方について」(1次~3次とりまとめ)の内容を頭に入れること。また人権教育の国際的潮流も把握しておきましょう。
公立では自治体独自の取り組みに関する出題が多い傾向がありますが、私立校志望でもひと通りの情報を得ておくとよいでしょう。
その他
教育基本法の改正により策定された教育振興基本計画からは多くの出題があります。「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿」「今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策」の内容を押さえておきましょう。
また教育時事として児童の安全確保、情報教育、食育、環境教育などの領域は重要です。ほか、携帯電話などの使用に関する問題では、通知文が出題元となることが多くなっています。