採用試験前に知っておくべき業界事情
現職教員の転職は有利?不利?
教員という職業は、年齢に有利・不利がなくキャリアと実力が重視されます。転職回数についても、若い先生で例えば3年間のうちに3回職場が変わるというのは珍しいことではないので安心してください。専任をとることの難しさは学校側もわかっています。ただその経緯については、一般企業と同様学校側にとってもかなり気になるところ。企業と違って学校間のネットワークがあるので、おおよその経緯は面接時には伝わっていると考えて下さい。転職回数の多さが気になる方は、エージェントを通してエージェントからの事情説明で崩していくというのも有効です。
公立から私立への転職を考えている方がはまりやすい落とし穴は、「わかっている」つもりになって業界研究や学校研究をおこたること。方針や求められていることは公立と私立で大きく違いますので、フレッシュな気持ちで研究を行うことが必要です。
新卒教員のメリットは?
手垢がついていなくて育てやすいというメリット面はやはり大きいです。ただし即戦力を求める学校にとっては、現職や一般企業からの転職者と違い任せられる業務の少ない「新卒」は、デメリット要素と言えるでしょう。ただ私立の場合は、新卒でも最初から担任をもたせて実戦投入する学校が少なくありません。その点、公立では研修をくり返しながらじっくり先生を育てていきますから、最初から指導面で活躍できるという自信のある方は私立狙い、逆にちょっと心配な方はまずは公立を目指すというのをおすすめします。
とはいっても、最近は私立でも簡単な研修制度を取り入れている学校が増えてきています。また弊社日本教員採用でも、模擬授業(対面またはスカイプを介して等)や指導法研究など研修を行いますので、お気軽にご相談ください。
一般企業からの転職者に期待されることは?
基本的に、学校に新しい風を運んでくれる一般企業からの転職者は喜ばれます。経営やお金の流れをよくわかっている人が来てくれると安心ですし、一般社会でもまれて確かなビジョンをもっている方も多いですからね。学校のニーズにより喜ばれる業種は様々ですが、営業マンなど対人に強く場数を積んでいる人はやはり喜ばれます。塾営業はもちろん、説明会などでの保護者に対する営業力も今の教員には求められています。教員一本でやってきた方にいきなり「営業をやれ」と言ってもなかなか厳しいですから。一般企業からの転職者には、その経験を見込んで最初から何らかのポストがあてがわれることが多いようです。
採用試験対策の真髄、業界研究とは?
志をもった先生ならば、どんな学校でどんな指導をしたいというビジョンがあるはずです。「入れる学校ならどこでもいい」といったスタンスでは求職活動はうまくいきませんし、仮に採用されたとしても思わぬ苦労にぶつかったりして長続きしない可能性が高いですね。業界研究は、自分に合った学校を探す上でも、採用試験で学校の方針やカラーに沿った対策をするためにもしっかりと行いましょう。
具体的には学校のHPやパンフレットを読み込む、また教員就活サイトの情報や現職の先生が開設しているブログを探すのもよいでしょう。また「生」の情報として、教員をしている先輩などから気になる学校の情報を得ることは大変有効です。学校を超えた教員のネットワークでは、様々な情報が密に飛び交っています。専任教員が多いのか非常勤でまかなっているのか、教員間の雰囲気はどうかなど、非常に参考になりますのでぜひあたってみてください。日本教員採用のようなエージェントももちろん内部情報を蓄積していますので、求職者の皆さんひとりひとりにおすすめできる学校かどうかの判断や、対策を提示していきます。気軽に相談してくださいね。
もちろん、実際に学校に行って説明会や公開授業などに参加することも大事です。教員の仕事は教室内だけではないので、学校見学では様々な所に目を配ってみてください。
このように手をつくして業界研究を行うことで、自分に合った学校、そしてその攻略法が見えてくるはずです。最近の感触では、あらかじめかなりしっかりと業界研究をしてくるのは大学生に多く、逆に公立の現職にどっぷり浸かっていた人に研究の足りていない方が多いようです。公立と私立は大きな違いがありますので、きちんと把握しておきましょう。
急増中の大学附属高校への対策は?
基本的に、生徒をきちんと進学させることが目的となる附属高校は他の受験校と比べればプレッシャーがきつくなく、有名大学の付属なら設備投資面でも恵まれているなど概して“働きやすい職場”と言われることが多いです。ただ大学に則した先進的な取り組みや研究授業が必要になるなど付属高校ならではの大変さはありますし、また一概に附属高校といっても内部で受験コース、内部進学コースなどと分かれている所も多く、採用側の意図によって求められることは多岐にわたります。対策としては、一般の公立、私立と同様学校研究が主となりますが、附属校の場合は大学の校風や社会的役割も含むため研究対象が大きくなりますので、時間をかけてじっくり取り組みましょう。
付属校は一般の私学に比べて安定性が高く、コネも強いため狭き門といえます。しかし最近G-MARCHクラスの大学で経営の厳しい私立学校を買い取って付属校にする動きが目立ってきており、学校再編にあたっては教員を一新することも多いので、ここが求職側にとっては狙い目かもしれませんね。